後半戦に向けて パ・リーグ編 [横浜ベイスターズ2010]
セサルは正直内野で使いたくないというか、使えないんじゃないかなあ……と。
ファーストにはブランコが居ますし、サードには森野が居ますからねえ。
森野を外野に回しても、外野守備はセサルとどっこいでしょうから動かし難いでしょうし、
なにより落合監督自身が何故かセサルを評価しているので、
セサルを外野手争いから外すって考えるのは客観的に難しいんじゃないかと。
まあ、ファン心理としてはビョン吉さんと大して変わらんので、
さっさと見切って欲しいというのが本音かもしれませんがw
それとも単に中日の新外国人で背番号７というのが呪われているだけ！？
さて、今回は前半戦の選評パ・リーグ編。
とはいえこちらは普段あまり見ないのでズレがセ・リーグ以上にあるかもしれませんが。
埼玉西武ライオンズ
３年前は４位、一昨年は１位、昨年はまたしても４位、と、
最終順位を見れば安定感に欠け、浮き沈みが激しい印象を与える埼玉西武ライオンズ。
球界現役最年長の工藤の古巣復帰、ドラフトの目玉である菊池雄星の獲得など、
オフシーズンは野球に於ける話題の中心チームだったが、
開幕してみれば昨年の沢村賞投手であるエース涌井は不安定で大量失点を喫するなど、
覇権奪回に向けては些か以上に心配な出だし。
しかしそこはかつて１０年間で９度のリーグ制覇を成し遂げた事もある常勝軍団。
帆足や岸の圧巻の投球で勝ち星を重ねていくうちに涌井が本来の姿を取り戻し、
ベテランの石井一久や西口らがしっかりと脇を固めて、本来の先発陣の姿を取り戻せば、
最大の泣き所でもあった中継ぎ投手陣は、
千葉ロッテから獲得したシコースキーが不在のグラマンの代役をしっかりと果たし、
長田や昨季阪神からトレード移籍した藤田太陽が繋ぎ役として安定した力を出して、
チームをしっかりと支えて現在は首位に居る。
一方で打線の方はオープン戦でアクシデントに見舞われた中村が辛うじて開幕に間に合ったが、
新外国人のブラウンは日本の野球への対応に手こずり開幕当初こそ思ったような成績が出せず、
シーズン中にも中島・中村が相次いで故障離脱を余儀なくされて、
なかなか本来の力を発揮することが出来ずにいたが、
中島と中村が戦線復帰した交流戦明けからようやく打線に破壊力が戻ってきた。
とはいえ、不安が全く無いわけではない。
先発は石井・西口の両ベテランは共に戦列を離れており、
野上や許などのローテの谷間を埋める６番手以降の投手陣で凌いでいる状況。
帆足にしたところで開幕当初の安定感は見る影も無く、
今では投げさせて見ないと判らない状態になっている。
涌井・岸の２枚看板が支えている間に如何に先発陣を建て直せるかが鍵になる。
中継ぎに関してはネックとなっていた左投手に工藤が戦線復帰。
ただ、依然として安定感に優れた左投手不在なのは心配でもある。
野手に関しては細川の打率が一向に上がってこないことで、
細川の打席で打線が切れてしまうのが問題だろう。
せめて２割まで戻せればよいのだが……
福岡ソフトバンクホークス
一昨年の最下位から昨年は３位まで順位を押し戻し、
今年こそは優勝を狙いたい福岡ソフトバンクホークス。
怪我人さえ出なければ、という前置きが必要だが、元々地力のあるホークスは、
昨シーズン、怪我の影響で不本意なシーズンに終始した和田が戦線復帰し、
ようやくホークスの２本柱が揃い踏みとなったのだが、
それ以外の先発陣は相も変わらずといった状況である。
新人王を獲った投手は翌年に大きく飛躍するか、或いはボコボコに凹まされるか、
大きく分けてこの２種類のタイプに分類されるが、摂津はどうやら前者のタイプで、
２年目の今年も安定した投球を続け、同じく２年目のファルケンボーグと共に、
球界屈指のセットアッパーを形成している。
昨年若干安定感を欠いていた馬原も今年は安定した内容で、
今年のホークスはリードして７回まで繋げば逃げ切れる可能性は非常に高い。
打線の方はここまで田上が不振で外れた事と、李が期待外れだった事、
更に松田が骨折で一時的に戦線を離れていたことを除けば、
例年以上に順調とも云える。
フルイニング出場が難しくなってきた松中の代役も兼ねて獲得したペタジーニは、
横浜戦で日本球界復帰第１号のサヨナラホームランを放つなど、
まだまだ健在であることをアピールし、
交流戦前まで打率１割にも満たないほど絶不調に陥っていた田上は、
打率を２割前半まで戻して復調傾向にある。
しかしながら、ホークスはここ数年問題視されている中軸の高齢化に歯止めが掛けられていない。
一番若い多村でさえ３３歳で、松中は３６・小久保は３８・ペタジーニは３９である。
打線全体で見ても一番若い本多が２５で、あとは軒並み３０前後という打線は、
１２球団でも１・２を争う高齢打線でもあり、最も怖いのは怪我による離脱。
このチームは怪我をしたらこけて終わりそうなほどの危うさも内包しているため、
如何に選手の体のケアを行っていくかがポイントになりそうである。
千葉ロッテマリーンズ
昨年はお家騒動の勃発でペナントを戦うどころではなかったが、
今年は生え抜きの西村新監督を迎えて脱・ボビーを徹底した千葉ロッテマリーンズ。
スローガンをチーム一丸で戦うという意味を込めた「和」に定めて臨んだ今シーズン、
昨年までの貧打は何処に行ったのかと疑いたくなるような打線の爆発を見せ、
ここまでリーグトップとなる打率と得点を叩き出している。
その要因として挙げられるのが昨年は足の怪我で不本意なシーズンを送った西岡が、
首位打者争いを演じる高打率と自慢の快足で相手投手をかき回していること。
序盤は日本人投手に手こずっていた金が当たり始めたことで、
打線が一気に活性化してきたことが考えられると同時に、
シーズン序盤のチームを牽引したルーキーの荻野や、
その荻野が怪我で抜けた穴を南らがしっかりと埋めてきたことも大きい。
その一方で千葉ロッテは投手陣に非常に苦労して来た。
小野・唐川といった主力投手が次々と故障によって戦線離脱を余儀なくされ、
先発ローテーションは早々と崩壊を起こしてしまったが、
横浜から吉見を獲得して先発・中継ぎでのフル回転などで急場を凌いではきたものの、
やはりいつまでもごまかしが利く訳も無く、
先発投手不足によってチームの勢いが陰りを見せてきた。
そんな中で中継ぎから先発に転向したマーフィーが安定した内容を見せ、
復帰した薮田や抑えに回った小林も存分に実力を発揮しているのが光明。
更には８月には唐川も復帰予定となっており、
小野が復調してくればチームは再び息を吹き返す可能性を秘めている。
あとは大嶺ら若手投手の成長に期待したいところ。
荻野や唐川といった故障離脱者が戦線復帰できるまでにどの位置で踏み止まれるか。
上位で接戦を演じていられれば、今シーズンの台風の目になりうるのだが……
北海道日本ハムファイターズ
昨年のリーグ制覇から一転して連敗スタートとなり、
稲葉ら、主力の相次ぐ故障離脱が連敗に拍車をかけて最下位に沈むも、
主力が戻ってきた交流戦から一転して連勝。
残念ながら交流戦は他のパ・リーグも勝ち星を増やしたために順位こそ上げられなかったが、
交流戦明けの直接対決に於いても上昇気流に乗ったチームの勢いは止まらず、
首位と６ゲーム差の４位まで押し上げてきた北海道日本ハムファイターズ。
交流戦前までは首位と１０ゲーム差以上離されるダントツの最下位に沈んでいたのだから、
此処まで巻き返してきたのはさすが前年度チャンピオンチーム、というべきだろうか。
元々繋ぎの野球で得点を奪い、鉄壁の守備陣で最小失点で守り勝つ。
それが北海道日本ハムのチームカラーでもあるが、
それはあくまでも打線が繋がればの話であり、今シーズン序盤は頼みの打線が機能せず、
殆ど得点を奪うことが叶わずに敗戦するケースが多かった。
無論それは主力が怪我に見舞われてしまったという要因があるが、
その中でも最も痛かったのは中核を成す金子誠の故障離脱であり、
彼が戦線から離れるとチームが失速したが、
交流戦で彼が戦線復帰すると同時にチームは勢いを取り戻した。
シーズン序盤こそ、らしくない大量失点で敗戦していたエース・ダルビッシュ。
しかし、シーズン中でもキッチリと悪い部分を修正し、
何だかんだで防御率を１点台で纏めるところは流石球界のエースといえる。
ただし、守りの根幹を成す投手陣はシーズン当初から決して万全とはいえない。
打線の不調に引き摺られるかのように失点していた投手陣は今でこそ復調してきているが、
連敗中はダルビッシュ以外勝てず、交流戦に入ってからはダルビッシュだけが負ける、と、
些かチグハグさを見せてきていたが、前半戦終盤に来てようやく歯車が噛み合い出した。
中継ぎにしたところで、昨年レギュラーシーズンでは無敗を誇った武田久が、
今シーズンは早々とクローザーを降格。
現在はウルフがクローザーの役割を務めてはいるが、
防御率２点代後半と磐石とは言い難い。
加えて横浜から江尻とのトレードで獲得した石井裕也も故障で離脱を余儀なくされ、
手薄な左の中継ぎがますます手薄な状況になっている。
長距離砲も３年目の中田にスレッジほどの勝負強さと本塁打の量産を期待するのは酷であり、
現時点に於いて攻撃力の大幅な向上というのは見込めない。
建山・宮西と優秀な左右の中継ぎは存在するが、彼らに負担が掛りすぎるようだと、
昨年の中日のように終盤失速しかねないのだが……
オリックス・バファローズ
一昨年の２位から一転して昨年は最下位に転落したオリックス・バファローズ。
前・阪神監督だった岡田新監督を迎えるが、
シーズン開幕前から阪神相手に挑発的な発言を行ったり、
解任された大石前監督が即座にホークスのヘッドコーチに就任したのを批難したりと、
シーズン開幕前はある意味注目を集めたチームは、
カブレラ・ラロッカ・Ｔ－岡田という圧倒的な破壊力を持つ打線で開幕から６連勝。
首位に立つもその後は投手陣が安定せずにズルズルと順位を下げて５位にまで落ちた。
投手陣は金子の他に近藤と読売からトレード移籍した木佐貫が、
一応安定した、と辛うじて言える範囲の結果を残しているが、
投げさせて見なければ判らない。
一昨年は新人王を獲るも昨年はボロボロの成績で再起を期した小松も、
中継ぎでは結果を残したがチーム事情で先発に復帰すると安定感を失い、
相も変わらずボロボロの状態である。
中継ぎにしても先発から転向した岸田や、香月がようやく安定感を発揮してきたが、
新守護神のレスターは毎度の事ながらハラハラドキドキの劇場型。
加藤大輔も若干安定感に欠き、絶対的な信頼を勝ち取りつつあるのは平野だけ。
ある意味ではどこから試合が壊れてもおかしくない、綱渡りのような投手事情でもある。
一方で打線は契約でごねるローズを早々に見切りをつけたのはいいが、
代わりに指名されたのが一軍実績の殆ど無いＴ－岡田。
力を伝えにくいノーステップのスイングにも拘らず、
京セラドームの上段へ運ぶパワーは脅威である。
ただ、カブレラ・ラロッカという両外国人が揃って戦線離脱をしたときの攻撃力低下は補いきれず、
不測の事態に弱いという弱点は克服できていない。
それでも攻撃力は十分に高く、優先されるのは投手陣の建て直しとなる。
東北楽天ゴールデンイーグルス
球団創設５年目にしてシーズン２位に入りながらも契約満了による監督解任という、
奇妙な事態を引き起こした東北楽天ゴールデンイーグルス。
岩隈・田中に加えて永井という３本の先発の柱を擁し、
中継ぎには青山・小山といった若手が存分に力を発揮していたのだが、
田中は故障による戦線離脱を余儀なくされ苦しい状況。
しかし、リーグ最小失点＆２位の防御率を誇りながらもこの順位に沈んでいる最大の要因は、
リーグ最少得点と６位のチーム打率が原因とも考えられるが、
首位に居る埼玉西武の得点に関してもリーグ５位という点を考慮すると、
如何に７３点の得点差があっても必ずしもこれが最大の要因とは考え難い。
無論、一因であることは否定出来ない事実ではあるが、
考えうる最大の要因は勝敗を左右する場面での得点が少ない、ということであろう。
逆に埼玉西武はそういう場面を高確率でモノにしてきているからこそ、
千葉ロッテが落ちてきたとはいえリーグ５位の得点と４位タイの打率、
４位の防御率でも首位に居られるのだろう。
嶋の打撃面に於ける成長や聖沢が頭角を現すなど、好材料もあるにはあるが、
他球団と比べて得点圏での打率が明らかに低い。
主力級では得点圏打率が最低ランクの山崎武が、
チームトップの勝利打点を叩き出している事から考えても、
勝敗に関ってくる１点を奪う場面では点が奪えていないことも判ってくる。
例え１０点取られようとも１１点取れば勝てるのが野球ならば、
１点しか取られなくとも１点も取れなければ負けるのも野球である。
広島に楽天……決して強豪とはいえないチームを率いた経験を持つブラウン監督ならば、
１点の重みというものを十分に承知していると思いたいのだが……
というわけで、今回はパ・リーグ編。
とはいっても普段はパ・リーグの試合を見れませんのでセ・リーグほど詳しくありませんが。
本命は埼玉西武で、対抗はソフトバンクでしょうかね。
日ハムは序盤の出遅れがかなり響き、交流戦が色々な意味で誤算でしたね。
千葉ロッテは投手陣が再整備されれば、再び上位争いに加わってくるのは確実でしょう。
浮き沈みの激しいオリックスは今年はＢクラスがかなり濃厚。
一方東北楽天は大方の予想通り最下位に沈んでいますが、
野村名誉監督のような緻密な野球がブラウン監督に出来るのかどうか……
開幕前に５位になったら野村名誉監督のお尻にキスする、って公言していましたが、
最下位だった場合はどうなるんでしょうかね？w
ファーストにはブランコが居ますし、サードには森野が居ますからねえ。
森野を外野に回しても、外野守備はセサルとどっこいでしょうから動かし難いでしょうし、
なにより落合監督自身が何故かセサルを評価しているので、
セサルを外野手争いから外すって考えるのは客観的に難しいんじゃないかと。
まあ、ファン心理としてはビョン吉さんと大して変わらんので、
さっさと見切って欲しいというのが本音かもしれませんがw
それとも単に中日の新外国人で背番号７というのが呪われているだけ！？
さて、今回は前半戦の選評パ・リーグ編。
とはいえこちらは普段あまり見ないのでズレがセ・リーグ以上にあるかもしれませんが。
埼玉西武ライオンズ
３年前は４位、一昨年は１位、昨年はまたしても４位、と、
最終順位を見れば安定感に欠け、浮き沈みが激しい印象を与える埼玉西武ライオンズ。
球界現役最年長の工藤の古巣復帰、ドラフトの目玉である菊池雄星の獲得など、
オフシーズンは野球に於ける話題の中心チームだったが、
開幕してみれば昨年の沢村賞投手であるエース涌井は不安定で大量失点を喫するなど、
覇権奪回に向けては些か以上に心配な出だし。
しかしそこはかつて１０年間で９度のリーグ制覇を成し遂げた事もある常勝軍団。
帆足や岸の圧巻の投球で勝ち星を重ねていくうちに涌井が本来の姿を取り戻し、
ベテランの石井一久や西口らがしっかりと脇を固めて、本来の先発陣の姿を取り戻せば、
最大の泣き所でもあった中継ぎ投手陣は、
千葉ロッテから獲得したシコースキーが不在のグラマンの代役をしっかりと果たし、
長田や昨季阪神からトレード移籍した藤田太陽が繋ぎ役として安定した力を出して、
チームをしっかりと支えて現在は首位に居る。
一方で打線の方はオープン戦でアクシデントに見舞われた中村が辛うじて開幕に間に合ったが、
新外国人のブラウンは日本の野球への対応に手こずり開幕当初こそ思ったような成績が出せず、
シーズン中にも中島・中村が相次いで故障離脱を余儀なくされて、
なかなか本来の力を発揮することが出来ずにいたが、
中島と中村が戦線復帰した交流戦明けからようやく打線に破壊力が戻ってきた。
とはいえ、不安が全く無いわけではない。
先発は石井・西口の両ベテランは共に戦列を離れており、
野上や許などのローテの谷間を埋める６番手以降の投手陣で凌いでいる状況。
帆足にしたところで開幕当初の安定感は見る影も無く、
今では投げさせて見ないと判らない状態になっている。
涌井・岸の２枚看板が支えている間に如何に先発陣を建て直せるかが鍵になる。
中継ぎに関してはネックとなっていた左投手に工藤が戦線復帰。
ただ、依然として安定感に優れた左投手不在なのは心配でもある。
野手に関しては細川の打率が一向に上がってこないことで、
細川の打席で打線が切れてしまうのが問題だろう。
せめて２割まで戻せればよいのだが……
福岡ソフトバンクホークス
一昨年の最下位から昨年は３位まで順位を押し戻し、
今年こそは優勝を狙いたい福岡ソフトバンクホークス。
怪我人さえ出なければ、という前置きが必要だが、元々地力のあるホークスは、
昨シーズン、怪我の影響で不本意なシーズンに終始した和田が戦線復帰し、
ようやくホークスの２本柱が揃い踏みとなったのだが、
それ以外の先発陣は相も変わらずといった状況である。
新人王を獲った投手は翌年に大きく飛躍するか、或いはボコボコに凹まされるか、
大きく分けてこの２種類のタイプに分類されるが、摂津はどうやら前者のタイプで、
２年目の今年も安定した投球を続け、同じく２年目のファルケンボーグと共に、
球界屈指のセットアッパーを形成している。
昨年若干安定感を欠いていた馬原も今年は安定した内容で、
今年のホークスはリードして７回まで繋げば逃げ切れる可能性は非常に高い。
打線の方はここまで田上が不振で外れた事と、李が期待外れだった事、
更に松田が骨折で一時的に戦線を離れていたことを除けば、
例年以上に順調とも云える。
フルイニング出場が難しくなってきた松中の代役も兼ねて獲得したペタジーニは、
横浜戦で日本球界復帰第１号のサヨナラホームランを放つなど、
まだまだ健在であることをアピールし、
交流戦前まで打率１割にも満たないほど絶不調に陥っていた田上は、
打率を２割前半まで戻して復調傾向にある。
しかしながら、ホークスはここ数年問題視されている中軸の高齢化に歯止めが掛けられていない。
一番若い多村でさえ３３歳で、松中は３６・小久保は３８・ペタジーニは３９である。
打線全体で見ても一番若い本多が２５で、あとは軒並み３０前後という打線は、
１２球団でも１・２を争う高齢打線でもあり、最も怖いのは怪我による離脱。
このチームは怪我をしたらこけて終わりそうなほどの危うさも内包しているため、
如何に選手の体のケアを行っていくかがポイントになりそうである。
千葉ロッテマリーンズ
昨年はお家騒動の勃発でペナントを戦うどころではなかったが、
今年は生え抜きの西村新監督を迎えて脱・ボビーを徹底した千葉ロッテマリーンズ。
スローガンをチーム一丸で戦うという意味を込めた「和」に定めて臨んだ今シーズン、
昨年までの貧打は何処に行ったのかと疑いたくなるような打線の爆発を見せ、
ここまでリーグトップとなる打率と得点を叩き出している。
その要因として挙げられるのが昨年は足の怪我で不本意なシーズンを送った西岡が、
首位打者争いを演じる高打率と自慢の快足で相手投手をかき回していること。
序盤は日本人投手に手こずっていた金が当たり始めたことで、
打線が一気に活性化してきたことが考えられると同時に、
シーズン序盤のチームを牽引したルーキーの荻野や、
その荻野が怪我で抜けた穴を南らがしっかりと埋めてきたことも大きい。
その一方で千葉ロッテは投手陣に非常に苦労して来た。
小野・唐川といった主力投手が次々と故障によって戦線離脱を余儀なくされ、
先発ローテーションは早々と崩壊を起こしてしまったが、
横浜から吉見を獲得して先発・中継ぎでのフル回転などで急場を凌いではきたものの、
やはりいつまでもごまかしが利く訳も無く、
先発投手不足によってチームの勢いが陰りを見せてきた。
そんな中で中継ぎから先発に転向したマーフィーが安定した内容を見せ、
復帰した薮田や抑えに回った小林も存分に実力を発揮しているのが光明。
更には８月には唐川も復帰予定となっており、
小野が復調してくればチームは再び息を吹き返す可能性を秘めている。
あとは大嶺ら若手投手の成長に期待したいところ。
荻野や唐川といった故障離脱者が戦線復帰できるまでにどの位置で踏み止まれるか。
上位で接戦を演じていられれば、今シーズンの台風の目になりうるのだが……
北海道日本ハムファイターズ
昨年のリーグ制覇から一転して連敗スタートとなり、
稲葉ら、主力の相次ぐ故障離脱が連敗に拍車をかけて最下位に沈むも、
主力が戻ってきた交流戦から一転して連勝。
残念ながら交流戦は他のパ・リーグも勝ち星を増やしたために順位こそ上げられなかったが、
交流戦明けの直接対決に於いても上昇気流に乗ったチームの勢いは止まらず、
首位と６ゲーム差の４位まで押し上げてきた北海道日本ハムファイターズ。
交流戦前までは首位と１０ゲーム差以上離されるダントツの最下位に沈んでいたのだから、
此処まで巻き返してきたのはさすが前年度チャンピオンチーム、というべきだろうか。
元々繋ぎの野球で得点を奪い、鉄壁の守備陣で最小失点で守り勝つ。
それが北海道日本ハムのチームカラーでもあるが、
それはあくまでも打線が繋がればの話であり、今シーズン序盤は頼みの打線が機能せず、
殆ど得点を奪うことが叶わずに敗戦するケースが多かった。
無論それは主力が怪我に見舞われてしまったという要因があるが、
その中でも最も痛かったのは中核を成す金子誠の故障離脱であり、
彼が戦線から離れるとチームが失速したが、
交流戦で彼が戦線復帰すると同時にチームは勢いを取り戻した。
シーズン序盤こそ、らしくない大量失点で敗戦していたエース・ダルビッシュ。
しかし、シーズン中でもキッチリと悪い部分を修正し、
何だかんだで防御率を１点台で纏めるところは流石球界のエースといえる。
ただし、守りの根幹を成す投手陣はシーズン当初から決して万全とはいえない。
打線の不調に引き摺られるかのように失点していた投手陣は今でこそ復調してきているが、
連敗中はダルビッシュ以外勝てず、交流戦に入ってからはダルビッシュだけが負ける、と、
些かチグハグさを見せてきていたが、前半戦終盤に来てようやく歯車が噛み合い出した。
中継ぎにしたところで、昨年レギュラーシーズンでは無敗を誇った武田久が、
今シーズンは早々とクローザーを降格。
現在はウルフがクローザーの役割を務めてはいるが、
防御率２点代後半と磐石とは言い難い。
加えて横浜から江尻とのトレードで獲得した石井裕也も故障で離脱を余儀なくされ、
手薄な左の中継ぎがますます手薄な状況になっている。
長距離砲も３年目の中田にスレッジほどの勝負強さと本塁打の量産を期待するのは酷であり、
現時点に於いて攻撃力の大幅な向上というのは見込めない。
建山・宮西と優秀な左右の中継ぎは存在するが、彼らに負担が掛りすぎるようだと、
昨年の中日のように終盤失速しかねないのだが……
オリックス・バファローズ
一昨年の２位から一転して昨年は最下位に転落したオリックス・バファローズ。
前・阪神監督だった岡田新監督を迎えるが、
シーズン開幕前から阪神相手に挑発的な発言を行ったり、
解任された大石前監督が即座にホークスのヘッドコーチに就任したのを批難したりと、
シーズン開幕前はある意味注目を集めたチームは、
カブレラ・ラロッカ・Ｔ－岡田という圧倒的な破壊力を持つ打線で開幕から６連勝。
首位に立つもその後は投手陣が安定せずにズルズルと順位を下げて５位にまで落ちた。
投手陣は金子の他に近藤と読売からトレード移籍した木佐貫が、
一応安定した、と辛うじて言える範囲の結果を残しているが、
投げさせて見なければ判らない。
一昨年は新人王を獲るも昨年はボロボロの成績で再起を期した小松も、
中継ぎでは結果を残したがチーム事情で先発に復帰すると安定感を失い、
相も変わらずボロボロの状態である。
中継ぎにしても先発から転向した岸田や、香月がようやく安定感を発揮してきたが、
新守護神のレスターは毎度の事ながらハラハラドキドキの劇場型。
加藤大輔も若干安定感に欠き、絶対的な信頼を勝ち取りつつあるのは平野だけ。
ある意味ではどこから試合が壊れてもおかしくない、綱渡りのような投手事情でもある。
一方で打線は契約でごねるローズを早々に見切りをつけたのはいいが、
代わりに指名されたのが一軍実績の殆ど無いＴ－岡田。
力を伝えにくいノーステップのスイングにも拘らず、
京セラドームの上段へ運ぶパワーは脅威である。
ただ、カブレラ・ラロッカという両外国人が揃って戦線離脱をしたときの攻撃力低下は補いきれず、
不測の事態に弱いという弱点は克服できていない。
それでも攻撃力は十分に高く、優先されるのは投手陣の建て直しとなる。
東北楽天ゴールデンイーグルス
球団創設５年目にしてシーズン２位に入りながらも契約満了による監督解任という、
奇妙な事態を引き起こした東北楽天ゴールデンイーグルス。
岩隈・田中に加えて永井という３本の先発の柱を擁し、
中継ぎには青山・小山といった若手が存分に力を発揮していたのだが、
田中は故障による戦線離脱を余儀なくされ苦しい状況。
しかし、リーグ最小失点＆２位の防御率を誇りながらもこの順位に沈んでいる最大の要因は、
リーグ最少得点と６位のチーム打率が原因とも考えられるが、
首位に居る埼玉西武の得点に関してもリーグ５位という点を考慮すると、
如何に７３点の得点差があっても必ずしもこれが最大の要因とは考え難い。
無論、一因であることは否定出来ない事実ではあるが、
考えうる最大の要因は勝敗を左右する場面での得点が少ない、ということであろう。
逆に埼玉西武はそういう場面を高確率でモノにしてきているからこそ、
千葉ロッテが落ちてきたとはいえリーグ５位の得点と４位タイの打率、
４位の防御率でも首位に居られるのだろう。
嶋の打撃面に於ける成長や聖沢が頭角を現すなど、好材料もあるにはあるが、
他球団と比べて得点圏での打率が明らかに低い。
主力級では得点圏打率が最低ランクの山崎武が、
チームトップの勝利打点を叩き出している事から考えても、
勝敗に関ってくる１点を奪う場面では点が奪えていないことも判ってくる。
例え１０点取られようとも１１点取れば勝てるのが野球ならば、
１点しか取られなくとも１点も取れなければ負けるのも野球である。
広島に楽天……決して強豪とはいえないチームを率いた経験を持つブラウン監督ならば、
１点の重みというものを十分に承知していると思いたいのだが……
というわけで、今回はパ・リーグ編。
とはいっても普段はパ・リーグの試合を見れませんのでセ・リーグほど詳しくありませんが。
本命は埼玉西武で、対抗はソフトバンクでしょうかね。
日ハムは序盤の出遅れがかなり響き、交流戦が色々な意味で誤算でしたね。
千葉ロッテは投手陣が再整備されれば、再び上位争いに加わってくるのは確実でしょう。
浮き沈みの激しいオリックスは今年はＢクラスがかなり濃厚。
一方東北楽天は大方の予想通り最下位に沈んでいますが、
野村名誉監督のような緻密な野球がブラウン監督に出来るのかどうか……
開幕前に５位になったら野村名誉監督のお尻にキスする、って公言していましたが、
最下位だった場合はどうなるんでしょうかね？w
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