5回戦もいよいよ後半戦 [スポーツ]

おお振りの第2期の話ですけどねw

さて、前回はストライクとボール、
そしてスリーアウトによる攻守交替の話を書きましたが、今回は投球編。
これまでにも触れてきたとおり、野球は投手が投げた球を打ち返すわけですが、
当然投手は打者に簡単に打ち返されないように投げなければなりません。
とは言っても、何処から投げても良い訳ではなく、
定められた場所から定められた手続きに則って行わなければいけません。

さて、その定められた場所というのが、以前にも書いた投球板のある場所。
つまりマウンドと呼ばれる場所なのですが、
投手はホームベースから18.44メートルの位置に設置されている投手板に触れ、
投球動作を行う必要があります。
しかし、ここにはいくつか細かいルールも存在しますが、
まずは投球に関する一連の流れを書き記していきます。

投手板には前方と後方があり、捕手側を前方、外野側を後方と呼びますが、
打者が打席に入るまで投手はまず投手板後方に於いて待機し、
打席に入ったのを確認して後、
球を保持した状態で投手板後方から投手板に足で触れます。
この後、捕手と何処にどんな球種を投げるのかを決めた後、
打者が打撃体勢、即ちバットを構えたのを確認します。
(これを打者との正対と称する)
それが終わって以降、後述の定められた投球姿勢から、動作を止めることなく投球。
これが投球に於ける一連の動作であり、投手はこれを繰り返し続ける事になります。

なお、投球姿勢にはワインドアップポジションとセットポジションの2種類が存在し、
状況などに応じて投手はこれらを使い分ける事になります。

・ワインドアップポジション
走者が居ない時に主に用いられる投球姿勢のこと。
球を両手で保持したまま投手板を両足で踏み、
自由な足(右投げなら左足、左投げなら右足)を投手板の後方の地面に付いた後、
自由な足を地面から離して利き手の方向に腰を捻り、全体重を軸足に乗せる。
その後、自由な足を踏み出して投球板の前の地面につく事で踏ん張り、
同時に軸足で投球板を蹴る様にして体重移動を行い、投球する。
体全体を使って投球する分、速く力強い球を投げられるが、
コントロールを付け難く、余計な動作が入る分盗塁されやすいため、
走者が居る場面では使い難いという欠点を持つ。

・セットポジション
主に走者を出してしまった後に用いられる、
ワインドアップよりも自由な足の位置やボール保持に制約がある投球姿勢のこと。
球を片手で保持したまま利き手を下に下ろして体の横につけ、
自由な足は必ず投手板の前方に踏み出しておく。
その後、体の正面で球を両手で保持して完全に静止し、
自由な足を前方に踏み出して踏ん張ると同時に、
軸足で投手板を蹴る様にして体重移動を行い投球する。
投げるまでの時間を短縮できるのみならず、
走者に盗塁されないよう牽制することも容易で、コントロールも付け易いが、
速く力強い球を投げにくいという欠点も存在する。

振りかぶる、という意味もあるワインドアップポジションですが、
最近では振りかぶらずに投げるノーワインドアップポジションもあります。
しかし一般的にはどちらも含めてワインドアップポジションと呼んでいますね。
基本的に走者が居ない時はワインドアップ、
走者が居る時はセットポジションの投球を行いますが、
おお振りで2死3塁という場面で美丞大狭山の投手が振りかぶって投げたように、
極稀に走者が居る場面でも用いることがあります。
プロ野球でも松坂大輔投手(現・ボストンレッドソックス)が同じような場面でやってますから。

セットポジションに関しては多くが走者が出た時に用いていますが、
コントロールをつけるために敢えて普段からセットポジションを用いている投手も居ます。
セットポジションにするとコントロールが付く分、球速が落ちると言われていますが、
その例外ともいえるのが石井一久投手(現・埼玉西武ライオンズ)で、
石井投手の場合はセットポジションに変えてから球速が上がったとも言われています。


投球姿勢は大きく分けて上記の2種類が存在しますが、
これ以外にも投手の腕の軌道によって、様々な呼び名があります。

・オーバーハンドスロー
頭の上から投げるという意味合いも持ち、
地面に対してほぼ垂直な腕の振りで行われる投げ方。
高低の角度が付け易く、最も力が伝わりやすい投げ方ではあるが、
その分コントロールを付け難いという欠点を持つ。
代表的なのは三浦大輔投手(現・横浜ベイスターズ)

・スリークウォーター
地面に対して角度を付けた腕の振りで行われる投げ方。
オーバースローよりコントロールが付け易く、現在の投手の基本形で、
この投げ方を行う投手が非常に多い。
代表的なのはダルビッシュ有投手(現・北海道日本ハムファイターズ)

・サイドハンドスロー
地面に対して平行に腕を振り抜く投げ方で、左右の角度が付きやすく、
またコントロールも付け易い反面、球速を出し難い投げ方。
右投手の場合は右打者にとって球筋を見極めにくい反面、
左打者には非常に見易い。
これは左投手の場合も打者の左右の違いがそっくり変わるだけで、
プロ野球の場合は基本的に右投手は右の強打者専門、
左投手は左の強打者専門としてのワンポイント起用が多く、
東京ヤクルトの館山投手や、横浜ベイスターズの加賀投手のように、
先発で起用されることは稀である。
また稀に元メジャーリーガーのランディ・ジョンソン投手のように150km/hを越える
剛速球投手も現れることがある。
代表的なのは林昌勇投手(現・東京ヤクルトスワローズ)

・アンダーハンドスロー
読んで字の如く、下手投げ。
サイドスローよりも地面に近い軌道で腕を振り抜いて投げるため、
ボールが浮き上がってくる錯覚を与えるのが特徴。
その反面、球速が出しにくいという欠点を持つ。
代表的なのは渡辺俊介投手(現・千葉ロッテマリーンズ)で、
NPBでは渡辺投手以外のアンダースローは現在存在しない。



1:20辺りから手の位置に注目していただければ判りますが、
投球の風圧でマウンドの土が舞ってます。
渡辺俊介投手はそれだけ低い位置から投げている、というわけですね。


今回はついでに投手の球種のお話もしましょうか。
投手の投げる球というのは基本的に、直球(ストレート)と変化球の2種類です。
それらの中でも、変化の仕方によって様々な名称が付いていますが、
今回は幅広く使われているものを取り上げて見ようと思います。

・フォーシーム・ファストボール
シームとは縫い目を意味し、ファストボールとは速い球、即ち速球を指します。
ボールが一回転する間に4本の縫い目が見えることからこう呼ばれており、
一般的にストレートという言葉はこのフォーシームに限定されます。
球に対してバックスピンをかけることで縫い目が気流を巻き上げて揚力を生み出し、
(これをマグヌス効果という)1秒間の回転数が大きければ大きいほど、
直線に近い軌道を描くと言われています。
日本に於いて最も優れたストレートを投げるのは阪神タイガースの藤川球児投手で、
一般的な投手が25~30㎝沈み込むのに対し、10㎝程の誤差しかなく、
打者から見ると浮き上がってくるように見えるようです。

・ツーシーム・ファストボール
こちらはストレートの一種で、
ボールが一回転する間に縫い目が2本しか見えないことからこう呼ばれています。
フォーシームと比べるとマグヌス効果は低く、
揚力が不足して僅かに沈み込む軌道を描くのが特徴です。
そのため、ストレートを打つ感覚でバットを振ると上のほうを叩いてしまい、
ゴロの打球になりやすいストレートがツーシームです。

・カーブ
変化球の基本ともいえる球種で、投手の利き手と逆方向に斜めに沈む球。
球速や沈み方によってスローカーブやドロップとも呼ばれます。

・スライダー
現在の日本の野球で最も多く使われている変化球で、
投手の利き手とは逆方向へ横移動(スライド)する球です。
こちらも球速や横移動の量によって高速スライダーやカットボールとも呼ばれます。
厳密には横移動しながら落ちるわけですが、
東京ヤクルトスワローズの伊藤智仁投手コーチや、
中日ドラゴンズの岩瀬仁紀投手の全盛期の高速スライダーは、
文字通り真横にスライドしたとも言われています。
なお、このスライダーはジャイロ回転(打者から見て螺旋を描くように回転していること)が
含まれている場合は縦に落ちる球に変化し、
東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手は縦の高速スライダーも用います。

・シュート
スライダーとは逆に、投手の利き手方向に対して横移動する球のことで、
主に右投手の右打者に対して有効な変化球になります。
こちらも球速によっては高速シュートと呼ばれ、速く変化量も大きいシュートは、
剃刀シュート(キャプテン翼の三杉くんの必殺シュートではない)とも呼ばれます。
サイドハンドの投手は特性上、
ストレートでもシュートに必要な回転がかかることがあります。

・フォーク
人差し指と中指の間に挟みこむように握ることで回転を少なくし、
真下に落ちる変化をする球がフォークボールです。
落とすことを前提とするうえ、力が伝わりにくい握り方をしているため、
失敗すると打者に届く前にバウンドしてしまったり、
力の無いストレート(棒球)になってしまって狙い打たれるというリスクもあります。
フォークといえば元・横浜ベイスターズの佐々木主浩さんの代名詞でもありますが、
佐々木さんのフォークはストレートと同じ回転をしていたために、
打者がストレートと誤認していたからこそ対応が出来なかったと言われています。
また、佐々木さん同様フォークを武器にメジャーリーグで活躍した、
元・近鉄バファローズ(現オリックスバファローズ)の野茂英雄さんが活躍出来たのは、
故障を引き起こしやすいという理由からメジャーの投手からフォークが敬遠されていたことから、
打者がフォークに対して対応能力を備えていなかった、という理由も存在します。

・チェンジアップ
前述のフォーク同様、真下に落ちる変化をするのがこの球で、
速い球にタイミングを合わせている打者のタイミングを外すための変化球です。
ストレートと全く同じ腕の軌道で投げることが出来るため、
タイミングをずらして打ち損ないを誘ったり、空振りさせることを目的としています。
全体的に右投げの投手はフォークを、
左投げの投手はチェンジアップを多く使う傾向にあります。

・シンカー
カーブとは逆に、利き手方向へ斜めに沈み込む球をこう呼びます。
こちらも球速によって高速シンカーとも呼ばれますが、
その中でも特筆すべきは渡辺俊介投手の高速シンカーで、
彼のシンカーはストレートとほぼ同速度で変化します。
岩瀬投手や埼玉西武ライオンズの工藤公康投手のように、
横の幅を最大限に使うためにシュートを会得する左投手も居ますが、
左投手の場合はシュートよりも、こちらを習得するケースが多いですね。


この他にもスライダーとカーブの中間のような変化をするスラーブや、
フォークとツーシームの中間のようなスプリット・フィンガー・ファスト(SFF)、
掌で押し出すように投げるパームボールや、指で押し出すように投げるナックルなど、
様々な変化球がありますが、主に使われているのは上記のものでしょう。
なお、プロ野球選手ならば投手でなくとも上記に挙げた変化球は投げられます。
ただし投げられるのと、実際に打者を抑える球として使えるかは別問題で、
打者を抑えられない変化球は使えない、或いは投げられない、に分類されます。
なお、北海道日本ハムファイターズのダルビッシュ有投手は、
上記に挙げた8種類の球全てを実戦に於いて使用できます。


さて、次回は投球に於けるルールについて書くつもりです。



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qoo2qoo

コメント、ありがとうございました。o(´▽`*)/
おお振り、見てます。まだ2話までだけど・・・(^^;
by qoo2qoo (2010-06-04 18:24) 

ネオ・アッキー

 アロンダイトさんこんばんは。
投球についての解説とても興味深かったです(≧ω≦)
by ネオ・アッキー (2010-06-05 18:55) 

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