とある魔術の禁書目録Ⅱ #13 [とある魔術の禁書目録]

とある魔術の禁書目録Ⅱの第13話を見ました。
第23学区で遂にオリアナに追いついた土御門・ステイル・当麻の3人だが、
満身創痍の土御門はオリアナの仕掛けたトラップによって戦線離脱を余儀なくされてしまった。
日没まで残り僅か、使徒十字の発動を阻止出来るのか?


#13 使徒十字(クローチェディピエトロ)

オルソラから伝えられた追加情報を元に使徒十字の使用ポイントを絞り込み、
土御門が警備の配置変更を学園統括理事長であるアレイスターに直接要請することで、
第23学区へと侵入した当麻たちだったが、
オリアナの仕掛けたトラップによって土御門は戦闘不能に追い込まれてしまった。

長時間の追撃と魔術の連続行使によって疲弊し、まともな戦闘行動が出来ないステイルと、
手数が足りずにオリアナに翻弄される上条当麻。
劣勢に立たされた状況でステイルは自らの魔法名を名乗ると残された力を振り絞り、
自身の身体すらも触媒の一つとして作用させる事で魔女狩りの王を顕現させて反撃に移るが、
コンビネーションの取れない当麻を巻き込む形で攻撃を繰り出し、
それが却ってオリアナに迷いを生み出させるも、氷の魔術によって戦闘不能に陥ってしまう。

1度の過ちで救いを求める人を諦めるのか、それとも諦めずに手を差し出し続けるのか。
そんな当麻の説得を現実を知らない人間の綺麗事として切り捨て、
絶対的な行動の基準を求めて速記原典の残り全てを用いた魔術で攻撃を仕掛けるオリアナ。
当麻は対幻想殺し用にオリアナが即興で作り出した2段仕掛けの魔術攻撃によって、
想定外のダメージを被る事となる。
しかし今在る世界を守るために絶対に負けられない、という強い想いによって踏み止まり、
オリアナを撃破する事に成功するのだが、もう1人の首謀者であるリドヴィアから、
自分達が囮であるオリアナに完全に振り回されていたことを知らされる。

絶望的な状況の中で最後の打開策を模索する当麻は情報を整理するうちにある事実に気付く。
そして土御門に使徒十字の残りの天文台の位置と、大覇星祭初日のプログラムを確認すると、
学園都市外部の天文台で発動まで20秒を切り勝利を確信していたリドヴィアに対し、
約束を守れなかったことを姫神に詫びながら自分達の勝利を静かに宣言するのだった……


というのが第13話の大まかなあらすじですね。
全体の1/4に当たる6話を使って語られた使徒十字を巡る戦い。
1つのシナリオに6話も使うなんて長いなあ、と感じる方もいらっしゃるとは思いますが、
原作だとこのシナリオは2冊丸々使って描かれているわけでして、
寧ろこれでも圧縮されている状況な訳です。
おまけに肝心な部分がすっぽりと抜け落ちてしまっていたりと、不親切な作りになっています。
まあこれは今更言っても仕方が無いことなので、ストーリーはどうでもいいや、
と割り切ってみるしかないわけですけどね。
まずはその抜け落ちた肝心な部分から補足を入れていくとしましょうかね。
(複数話にまたがるシナリオにも拘らず主犯となる敵役のゲストキャラを掘り下げないのは、
 アニメ版禁書の悪いところですね。原作の掘り下げの足りなさも大概ですが……)

以前の記事でも書いたと思いますが(書いてなかったら御免なさい)、
オリアナ=トムソンはローマ正教の人間ではありません。
彼女は元々イギリスの魔術師であり、立場的には十字教と敵対関係にあります。
そんな彼女が何故敵対しているはずのローマ正教に力を貸したのか?
その理由はオリアナが語ったとおり、絶対的な基準点。
即ち万人が必ず「正しい」と思う指針を欲し、使徒十字でそれを作り出そうとしたわけですね。
しかしこれはあくまでもオリアナの「目的」であって「動機」ではありません。

そもそも幼い頃のオリアナは十字教徒だった家族に連れられて日曜の度に礼拝に赴き、
その都度教会の神父から「人のためになる事をしなさい」と言われてきたが、
彼女自身は「人のためになる事」とは何か?と悩み続けてきたわけです。
道端に落ちていた空き缶を拾ってゴミ箱に捨てたり、
地下鉄の案内板を前にして道に悩んで困っている人を案内したり、
どうしても運んで欲しいと頼まれた品物を運んだりする反面で、
空き缶を拾うことでボランティアで日銭や食料を確保しているホームレスを困らせるのではないか、
案内した人が無事に目的地に着いた先で暴力を振るって殺しているのではないか、
自分が運んだ品物が実は呪いの品物で届けた相手を呪い殺しているのではないか、
といった負の予測も出来てしまうことで、本当に人のためになる事が何か判らなかった。
無論、これらの負の予測はあくまでオリアナ自身の予測によるものなので、
実際のところは幼い彼女の行動で困った人間が居たのかどうかは判りません。
ただ、彼女は魔術師が爆破テロのために設置した2階建てバスの座席のシートに、
そうとは知らず親切心から老婆に席を譲ったことでテロに巻き込んでしまったり、
少年を保護して身柄を教会に預けたらその少年はイギリス清教に追われている魔術師で、
イギリス清教に捕まって処刑塔へ連行されたことを後で聞かされたりと、
自身の行動が関与した悲劇や不幸を目の当たりにしてきた。
だからこそ、少なくとも直接間接を問わずに自分が関与した人間の全てが傷付かない行動、
文字通り「人のためになる事」の絶対的な基準が欲しかった。

これがオリアナがリドヴィアに協力していた理由、即ちオリアナの「動機」ですが、
アニメではこの部分は完全にカットされてしまっているので、
オリアナの動機が殆ど見えてこないわけですね。
尤もこれはオリアナの現実を無視した身勝手な我侭であり、
彼女の望みは神様ですら実現不可能な奇跡でもあるわけですが……

続いてはイマイチ判りにくいオリアナさんの最後の攻撃。
残っていた速記原典の全てを使って繰り出した魔術ですが、
あれは球体の表面に触れたあらゆる物質を中心点に向かって吸い込んで圧縮する魔術で、
空間そのものも対象に含まれています。
勿論幻想殺しで打ち消すことは出来ますが、打ち消せるのはあくまでも「吸い込んで圧縮する」
という魔術効果だけで圧縮されたものまで打ち消せるわけではありません。
そして外側から圧縮する力が消えたわけですから、当然ながら圧縮されたものは、
元の形に戻ろうとする力が働くわけで、
オリアナは吸い込んで圧縮する魔術効果を打ち消される事を前提として、
この「元に戻ろうとする力」を幻想殺し対策の攻撃として用いた、ということです。
裏を返せば幻想殺しで打ち消さずに回避されてしまったら意味を成さないわけですが、
「異能の力にはとりあえず幻想殺し」という当麻の行動パターンを読んだ上でしょうし、
仮に回避されたとしてもその瞬間に術式を解除すれば結果は同じでしょうね。

断崖絶壁野郎と称されたもう1人の首謀者のリドヴィア=ロレンツェッティ。
無茶とも言える困難であればあるほどに遣り甲斐を感じ、
それを達成し終えた時の優越感と達成出来なかった者への罵倒が大好きという、
どSにしてどMな性格のお人な訳ですが、実は彼女は上条刀夜と面識がありまして、
息子の不幸体質を何とかしたいと悩む刀夜に日本人に対する印象を改め、
今回の作戦に切り替えたという経緯があります。
そんな彼女が刀夜の息子である当麻に作戦を阻まれるとは、
皮肉というかなんというか……
それと彼女は逃走時に自家用ジェットで日本を脱出していますが、
彼女が嫌っているのは常識から外れた事象を「非科学的」や「科学的根拠が無い」と言って、
科学的根拠を妄信する「宗教的な科学至上主義」の思考であって、
利便性を高める道具としての科学技術そのものを嫌っているわけではありませんので。


例の如く入院した当麻を見舞いに訪れたものの邪険に扱われた美琴。
正直、顔が怖いです……
自身の存在価値に対して不安を抱くも、
インデックスとの会話で一つの答えを見出した姫神秋沙。
長かった大覇星祭初日の事件は幕を閉じ、次回から物語の舞台は海外へと移るのだが……


おまけはこちら

過去記事
#1 8月31日(最後の日) #2 法の書 #3 天草式
#4 魔滅の声(シェオールフィア) #5 蓮の杖(ロータスワンド) #6 残骸(レムナント)
#7 座標移動(ムーブポイント) #8 大覇星祭 #9 追跡封じ(ルートディスターブ)
#10 速記原典(ショートハンド) #11 刺突杭剣(スタブソード) #12 天文台(ベルヴェデーレ)








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