振り回した結果がこれ [時事ネタ雑記]


このブログではあまり政治の話は書きたくないわけですが、
今回はやはり世間の注目を集めている事柄なので書きましょう。

昨夏の衆議院選挙に於いて大勝した民主党。
その折、米海兵隊基地である普天間基地の名護市辺野古沖移設について、
異議を唱えて「国外・最低でも県外移設」と謳い、
沖縄県で圧勝して見せた民主党の鳩山首相は、
オバマ大統領との首脳会談に於いてトラスト・ミーと発言して県内移設容認を匂わせたが、
数日後には一転して現行案で行くなら新たな協議は必要ないといった趣旨の発言。
3月末までに政府方針を決めると言いつつその方針は一向に示されず、
腹案があり、それに沿って動いていると言いつつ問題の腹案も見えてこない。
挙句の果てには核安全保障サミットでの日米首脳会談を申し込むも拒絶され、
サミットの夕食時にお情けで10分間だけ時間を貰った哀れな首相。

昨年末、自らが解決期限と定めた5月末まで残り1ヶ月という状況下で、
ようやく見えてきたのは現行計画の微修正案だった……

首相就任から約10ヶ月。
一方的に待ったを掛けて日米同盟を過去類を見ないほどの危機に陥れ、
沖縄県民や鹿児島を始めとする基地移転の候補と目される土地の住民を振り回し、
アメリカの怒りと失望と失笑を買い、国際的な信用を失墜せしめた結果が、
現行案の微修正に留まると云うのだからお笑いである。


一応私は国民固有の権利である選挙権を持つ有権者である。
勿論、昨夏の衆院選には投票にも赴いたが、民主党には1票も入れていない。
私もまた自民党政治に嫌気が差していたその他大勢の一人ではあったが、
それでも民主党に票を投じなかった理由は主張が理想論ばかりで、
現実的な中身が伴っていないと感じたからに過ぎない。

そして私が今日まで知る限り、選挙前に感じたものが間違っていなかったことを、
現政権は如実に証明して見せている。


選挙前に民主党は普天間を国外へ、最低でも県外へ移設すると声高らかに謳った。
尤も、これは社民党も同じ事を謳っているのだが、
沖縄に基地がある理由というものをちょっとでもいいから調べ、
冷静になって思案すれば現実的に不可能である事など自明の理である。


そもそも沖縄に海兵隊基地が置かれている理由は第2次世界大戦終結後の、
2大軍事国家であったアメリカ主体の西側とソ連主体の東側の対立、
所謂「冷戦」に起因している。
表面上は直接的に戦うことの無かった両陣営ではあったが、
アジアやアフリカ地方に数多く存在した大戦時の連合軍植民地が、
独立を求める運動を起こし始めたことで紛争の火種が至る所に存在しており、
現在でも表面化していないだけでそれは残っている。
その主たるものは朝鮮半島で起こった南北分裂の朝鮮戦争。
記憶に新しいものでは1991年の湾岸戦争。
(クウェートは西側、イラクは東側に属している)
そして尤も大きなものがベトナムの南北分裂に於けるベトナム戦争であり、
このベトナム戦争時に沖縄の基地は直接的に戦力投入を行った、
アメリカの中継基地として使用された経緯を持っている。
(横須賀や横田も同様)

その後消耗戦になったベトナム戦争はアメリカの撤退によってまもなく終結を迎え、
それから暫くした後に東側の盟主であったソ連が瓦解し、
少なくとも日本国内に於いては冷戦は終わったものと認識されてきた。
しかし、先にも述べたとおり表面化していないだけで、
パレスチナ自治区やダライ・ラマ三世に関る一件でも判るとおり、
紛争の火種は未だに残った状態である。
特に朝鮮半島は表面上平穏を保っているように見えるが、
実際は未だに国境を挟んで北と南が睨み合いを行っている。
韓国側は軍事力を拡大している中国の存在を脅威に感じているし、
北朝鮮側はアメリカの介入を懸念して戦端を開くことが出来ないため、
一時的に平穏に見えるだけに過ぎないのだ。
(補足しておくと韓国はアメリカを盟主とした西側諸国、
中国と北朝鮮はソ連を盟主とした東側諸国に属しているため)

沖縄の海兵隊の存在は、これら紛争の火種に対して目を光らせている、
アジアに於ける紛争の抑止力の役割を担っているのは調べれば直ぐに判る事である。
その要である海兵隊を沖縄から撤退させればどうなるか?
アメリカの脅威が去る、或いは大幅に軽減されると知れば、
再び戦端が開かれる可能性も十分に考慮できるし、
その火種が日本に飛び火する可能性も十分予測できる。
例えアメリカ兵が撤退しても、有事の際に前線基地となりかねない日本を、
素直に見逃してくれると考えるのは楽観主義を通り越して愚鈍と言える。
相手の補給線を断っておくのは、戦いの基本中の基本ともいえるため、
朝鮮半島が再び戦場となれば日本が標的にされる可能性は決して低くない。
それらの事情をしっかりと踏まえていれば、
沖縄からの基地排除などと安易に口にすることなど出来ないことは子供でも判る。

今回の一件でもはや鳩山さんの辞任は決定的といえるだろう。
いや、そもそも昨年現行案を拒絶したことで、決着次第辞任は確定していた
と言うべきなのかもしれない。
これがゲームの話ならばやり直せば済むのだが、残念ながら現実の話である。
リセットボタンを押してセーブポイントからやり直すことは出来ない。
地面に零れ落ちた水を再び掬い上げることが出来ないのと同じで、
過ぎ去った時間を巻き戻すことなど誰にも出来ない。
故に一国民として私が鳩山総理に望むことは唯一つ、
一日も早く移設先を確定させて辞任して欲しい、ということ。
この問題を決着させずに辞任するのは、
国政の長たる内閣総理大臣としてあまりにも無責任すぎるだろう。

そして同様に頑なに国外移設を唱える社民党は、
果たして基地の存在意義を正確に理解しているのだろうか?
先に述べた紛争の火種を消し去ることは、一朝一夕で叶う物ではない。
そんなことが本当に可能ならば、とっくの昔に紛争の火種は消滅している。
それでもなお、米軍基地を日本から排除するというのであれば、
国防のための軍備が前提となってくるようにも思えるわけだが、
それを行うためには憲法9条の改正は必要不可欠な手続きであり、
社民党はこれにも強く反対を示している。
防衛のための軍備ももてない状況で、唯一の防衛手段と言えるあるアメリカ軍を排し、
不安定な周辺諸国の緊迫した情勢下で、
社民党はどうやって日本を守るつもりでいるのかが、私は不思議で仕方が無い。

社民党には鳩山首相とは異なる、私のような凡人には及びもつかないような、
画期的で実用性のあるウルトラEのような腹案でもあるのだろうか?
それとも民主党同様に現実から目を背けて、
理想論だけを振りかざしているに過ぎないのだろうか?

私にはどうも、後者の様に思えて仕方が無いのだが……


長々と書いてきたわけですが要約すると、
ちゃんと調べてからものを言え!!って事と、
丸投げはするんじゃねーぞ!!って事ですね。
特に後者は本当にやりそうで怖いです…… orz
失礼は重々承知していますが、史上、最も無能な内閣総理大臣というレッテルは、
どう考えても返上することは不可能でしょうね。
鳩山さんの言葉はあまりにも軽率すぎます。

解散総選挙をしてくれないとこのまま民主党政権は続いていくわけで、
次の総理が誰になるかは知りませんが、引き受ける羽目になった人は大変ですね。

ぶっちゃけ、麻生さんの方が全然マシでした!!
マスゴミがミンスと一緒に叩いていたので、世間での評価は思いっきり低かったですがw
あと、汚沢総理とか、マジ勘弁な!!
あの人は議員辞職どころか、政界そのものから去っていただきたいですね。

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