かなり苦しい投手事情 [横浜ベイスターズ2010]

2009年 37試合消化 13勝24敗 借金11 最下位
2010年 34試合消化 16勝18敗 借金2  第4位

これが昨年と今年の横浜ベイスターズの戦績。
昨年はWBCの影響もあって通常より1週間も遅い開幕となったわけですが、
それでもかなりの過密日程で4月をこなしました。
なお、昨年の数字は交流戦直前までの横浜ベイスターズの戦績です。

こうして数字で比べて見れば、
昨年よりも今年の方が上であることがお分かりいただけると思いますが、
実は昨年よりも上位チームと当たる数が若干ながら少ないため、
あまり当てには出来ない、というのが本当のところでしょう。

さて、此処までの試合を振り返ってみて、
私が気付いた横浜ベイスターズの問題点をいくつかピックアップして見る事にします。
まずは投手陣。
千葉ロッテからトレードによる清水の獲得、大家の復帰などで、
壊滅的だった先発投手陣は少しづつ穴が小さくなり、
徐々に戦える陣容が整いつつあるように思われていました。
しかし此処までの先発投手は最低限の働きしか出来ていません。


加賀 登板4 1勝3敗 投球回数19 1/3回 失点13 自責点10 WHIP1.473
清水 登板7 4勝2敗 投球回数46回    失点17 自責点17 WHIP1.282
三浦 登板4 2勝0敗 投球回数21回    失点11 自責点11 WHIP1.476
寺原 登板7 3勝2敗 投球回数40回    失点16 自責点13 WHIP1.300
大家 登板1 1勝0敗 投球回数6 1/3回  失点1  自責点1  WHIP1.166
ランド 登板7 0勝5敗 投球回数39 1/3回 失点23 自責点22 WHIP1.564


上記の数字は主な先発投手の成績になります。
最後のWHIPは投手の1イニングに於ける被出塁率を指しています。
これを見ていただければお分かりになるとおり、
ほぼ全員が登板数の割には投球回数が少ないです。
1試合に付き、平均して6回前後の投球ということ。
野球は最低でも9回まで行いますので、残り3回を別の投手が投げている事になり、
これは即ち、ほぼ毎試合に於いて中継ぎ投手を複数人使用している、
ということを意味しています。
実際、7回以上を投げたのは清水とランドルフだけ。
しかもそれぞれ1回づつという結果で、他の先発投手は6回を投げきったところか、
7回の守備途中に次の投手に代わっています。

野球にあまり詳しく無い人には何の事か判らないと思いますが、
プロ野球というものは1年間の試合の勝ち負けで順位を競います。
2010年現在、1年間の試合数は144試合ですが、
先発投手の場合は1年間の登板でも26試合前後、
中継ぎ投手の場合は平均的に見ても50試合前後になります。
中には阪神の久保田投手のように年間80試合位投げる人も居ますが、
そんなのは本当にほんの一握りの投手だけで、
殆どの投手は50試合前後、多くとも60試合位になります。
これらを踏まえて見ていただきたいのが、次のデータ。


山口 投球回数21回    登板数 17/34※
小林 投球回数7回     登板数 5/34
真田 投球回数20 2/3回 登板数 15/34
牛田 投球回数21 1/3回 登板数 20/34※
江尻 投球回数14 1/3回 登板数 13/27※
 

これは現在1軍にいる主な中継ぎ投手の登板回数と投球イニングの数字です。
なお※が付いているのは勝ち継投に使用される投手、
所謂「勝利の方程式」と呼ばれる継投で使用されている投手です。
江尻投手は途中加入のため、加入後の登録時からになっています。
横浜ベイスターズの此処までの勝利が16勝ということからも判るとおり、
勝ち継投に使用される投手はほぼ、勝利試合には投入されています。
単純計算で行くと山口・江尻の両投手は年間で80試合以上、
牛田投手の場合は年間100試合にも及ぶハイペースで、
ここまで登板している事になります。
9連戦後半に於ける牛田・江尻・山口の三選手の不安定さは、
こういったハイペースな登板間隔による疲労の蓄積が要因ですね。
これを解消する為には、勝ちゲームに於ける先発の完投率を上げるしか、
他に方法がありません。
無論、彼らを出さなくて済むように打線が援護してやれば問題は無いのですが、
残念ながら読売と違って横浜にはそこまで圧倒的な力がありません。
その為に求められるのは、3点差ぐらいなら最後まで投げ切れる位の、
先発投手の奮起でしょう。
それ以外には、この三人の代わりを務められるバックアップ要員の確保でしょう。
うまく使いまわして三人の負担を軽減させることが出来れば、
1年を通して戦うことが出来ると思います。

ともかく現状では中継ぎに過度な負担が掛っているため、
交流戦が明ける頃、早ければ交流戦中に中継ぎから投壊を起こしかねませんね。

そしてもう一つの懸念材料が左の中継ぎの不在でしょう。
先発投手は交流戦を迎えて4人でも回せる状況になってきているので、
寺原の離脱でも辛うじて持ちこたえることは可能ですが、
残念ながら左投手不在の中継ぎはそういうわけには行きません。
加藤康介は開幕早々不調に陥り二軍で再調整中。
左キラーとして期待された高宮も、過度な登板で最近は成績が振るわず、
こちらも再調整で二軍落ち。
ベテランの篠原は故障明けということもあって、昇格の目処は未だ立たず、
現状では未知数の若手である佐藤が一軍に帯同しているものの、
左は実質この1枚だけ。
先発復帰で大炎上した吉見もまだまだ昇格の目処が立たず、
他のチーム同様でかなり苦しい投手事情を抱えています。
石井裕也も江尻獲得のために放出していますからね。
その辺りはフロントも理解しているでしょうし、何とかしたいと思っているでしょうが、
正直どこも手薄な左の中継ぎを出してくれるチームがあるんでしょうかね?


横浜にとって幸運なのは、明日も試合が無い、ということ。
お陰で投手陣は多少は休めますが、こういう戦い方では絶対に持ちません。
完投、もしくは確実に8回まで投げきってくれる状況になれば良いんですけどね。

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