おおふり第2期もやっていることだし…… [スポーツ]

本日は各地で最強投手である雨野選手が登板。
プロ野球は屋外である4試合が中止となっています。
勿論横浜スタジアムでの試合も中止となっていますが、
折角だから今回は素人さん向けに野球の話でもしましょうかね。
(一応)高校野球を題材とした作品
「大きく振りかぶって」のアニメ第2期もやっているので、
ちょっとは作品を楽しむ手助けになればいいのですが……


英語ではbase ballと呼ばれる野球というスポーツは、
2つのチームが互いに攻撃と守りを交代しながら、
相手チームの投げたボールをバットと呼ばれる木の棒で打ち返し、
競技場の中に設置されている四角で作られた3つのポイントを、
反時計回り(左回り)に通過して1周してきた時に与えられる得点を競う
アメリカ発祥の球技のことです。
日本に伝わってきたのは1871年(明治4年)のことで、一番最初は大学のもの。
それから高校や中学といった今で言う「アマチュア」と呼ばれる場所へと普及して行き、
やがて野球を仕事とする職業野球、即ちプロ野球が誕生してきました。
なお、野球で使用するボールには硬式球と呼ばれる、
ゴムやコルクに糸を巻き付けて牛革や馬革で包んで縫い合わせたものと、
ゴムで作られた軟式球、ゴムやコルクに糸を巻きつけたものを、
ゴムボールの中に入れる準硬式球が存在していますが、
一般的に野球というのは硬式球を使用した場合を指しています。

さっき書きました通り野球というのは、
2つのチームが相手チームの投げたボールをバットと呼ばれる木の棒で打ち返し、
得点を奪うことで勝ち負けを決めるスポーツです。
(各チームは相手チームより多くの得点を奪って勝つことを目的とする)
この肝心のバットですが、最大直径7cm以下、かつ全長106.7cm以下
という条件を満たしていれば、どのような形状でも認められます
その為、握る部分(グリップ)と打つ部分が殆ど同じ太さのバットを使用することも出来ます。
(強く握れる方が力が伝わりやすいので、同じ太さなのは実用的ではありませんが)
なお、日本のプロ野球の場合は1本の木材から作り出した木製バットのみ、
高校野球でも木製バットの使用は可能ですが、
バットの耐久性の問題(木で出来ているため折れやすい)から、
金属バットを使用するのが主流です。(禁止されているわけではありません)
木製バットは8千円前後、金属バットは1万2千円前後という値段で、
1本の単価は木製バットの方が安いですが、
使い続けた場合は折れやすい木製バットよりも長持ちする金属バットの方が、
結果として安上がりで済むわけですね。
ただし金属バットの場合は最低重量900gという規定があり、
これを下回る金属バットの使用は認められていません。


次は実際に競技を行う場所、即ち球場のことを説明させていただきます。
まず実際に競技を行う際、攻撃の始点であり終点でもある本塁、
即ちホームベースを用意しますが、これは1辺が43.2cmの四角形を描き、
このいずれか1辺を用いて球場の方向を決めます。
方向を決めた1辺の両端に位置する2つの辺の、
基準となる方向から30.5cmの位置から最後の一辺に対してそれぞれ線を引き、
これが交わったことで出来上がる五角形がホームベースとなります。
この五角形の頂点から底辺に対し垂直になるように線を延ばし(実際には書かない)、
38.795メートルの位置に1辺が43.2cmの正方形を作ります。
これが2塁、即ちセカンドと呼ばれる場所で、
攻撃側が2つ目に通過するチェックポイントと考えてください。

基点となるホームベースと、
2つ目のチェックポイントであるセカンドベースの位置を決めたら、
今度は1つ目と3つ目のチェックポイントの場所を決めなくてはなりません。
まず五角形の頂点から辺に沿って2塁方向に線を延ばしていきます。
同様に2塁からは両方の線に対して線を延ばしていくわけですが、
ホームベースとセカンドベースから延ばした線が交差する場所で、
それぞれの長さが27.431mの位置に、1辺が43.2cmの四角形を置き、
ホームベースから見て右側が1塁、即ちファーストベース。
左側を3塁、即ちサードベースと呼びます。
攻撃側はホームベースからスタートして、1塁・2塁3塁と回り、
再びホームベースへ戻ってきた時に1点が認められる事になります。
チェックポイントとなる4つのベースの内側を内野と呼び、
外側を外野と呼びますが、内野は上から見た場合菱形を描いているため、
ダイヤモンドとも呼ばれています。

そして、ホームベースとセカンドベースを直線で結ぶ線の途中、
ホームベースから18.44mの位置に投手板と呼ばれる、
縦は約15cm、横は約61cmの長方形の板が置かれており、
守る側はここから攻撃側に向かってボールを投げる事になります。
なお、この投手板はマウンドと呼ばれる直径5.49m、
高さ25.4cmの土を盛り上げた場所に位置しています。

本塁から伸びている線の延長上には必ず壁が設置され、
これが大きな弧を描くようにして左右に伸びた線を結び、
この壁の内側全てが野球に於ける競技の場となります。
線が壁と接触した部分を両翼と呼んでいますが、
この両翼の延長線上には必ず線と同じ太さのポールが立っています。
これはボールを打つという競技特性上、ボールが飛び出す可能性もあります。
その際に飛び出したボールが攻撃として有効だったのか無効だったのか、
それを判別するための代物でもあります。
基本的にポールの色は白と決められていますが、
日本のプロ野球でボールと同色のために判別出来なかった疑惑のホームランが起こり、
(実際は無効打であるファールでした)
より判別をしやすくするために現在では黄色いポールが主流になっています。
なお、両翼までの距離は97.534m以上、
本塁と2塁を結ぶ線の延長上にある中堅(センター)までの距離は
121.918m以上が好ましいわけですが、
実際には76.199m以上であれば問題はありません。
アメリカのメジャーリーグには三塁側延長上にある左翼(レフト)までの距離が足りず、
代わりに物凄く高いフェンスを設けることで、
距離のハンデを補っている球場も存在しています。

そして競技観戦者の席についてですが内野側は本塁・及びそこから伸びる線から、
18.288m以上離れた位置に設置するように定められていますが、
外野に関しては規定はありません。


まずはここまでにしておきましょうか。
私の説明でどこまで理解していただけるかは甚だ不安ではありますが、
少しでもお役に立つのなら幸いです。
明日も雨予報なので、横浜対ホークスの試合は中止かもしれません。
もし中止だった場合は今日の続きを書く予定ですが……

タグ:野球
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HINAKA

HINAKAです。

アロンダイト様

チョッと、お久しぶりですか?
考えてみると、知らない人には「野球」は、よく分からないスポーツ競技かもしれませんネ。改めての丁寧な解説で、納得しました。
マウンドの高さって、厳密に決められているんですね。何だか日米野球で、MLB(メジャー・リーグ・ベースボール)アメリカのプロ野球で、「マウンドが高いとか低いとか」、「マウンドが固いとか柔らかいとか」いう話しを良く聞いたので、もっとアバウトな規定かと思っていました。

数多くの集団球技の中で、唯一攻撃側が全員参加しない、スポーツだともいわれていますネ。
基本、投手VS打者、この構図が日本人の1対1の勝負好きに、ヒットしたとも言われています。アメリカにおいて、もっともアメリカ的なスポーツだとも言われて、いますね(人気は、上から3番目くらいだそうですが……)。

というのは、今でもそうで今回の解説にもあったように、他のあらゆる球技の中で、唯一フィールドの広さが決まっていない、ある種アバウトな集団球技だという事です。
確かに内野の広さは、本塁から始まって1塁・2塁・3塁、そしてまた本塁と結ぶ線の長さが決まっている為に、必然的に決まります。しかし、日米どのルール・ブックにも外野の広さの限界は記されていません。
最低の長さは決められていますが、最高は無限大です。これは本来、この球技が柵の無い原野で、西部開拓時代の面影を残して、何処まで遠くへ飛んで行くボールを追って、共に西を目指して追い掛けて行くゲームだったから……という、お話があります。

と言う訳で、蛇足ですが本来「ホームラン」というものは、存在しなかったそうです。
史上初の専用野球場、最初のヤンキース・スタジアムが完成し、ベーブ・ルースが活躍した時代に、初めて外野にフェンスが設けられ、そこに客席を作った為に、「ホームラン」という守備不能な、神業が生まれたのだと、聞いています。
この為、後に出来た球場は、基本的にヤンキース・スタジアムを模していますが、様々な理由でそれよりも外野のファール・ラインが長かったり、短かったりしたようです。日本は特に王選手が、ホームランの世界記録を破った時に、アメリカの一部から「日本の球場は狭いから、その記録は無効だ!」という声が上がり、その辺をキッカケとして、西武所沢球場などの新設球場が次々と、両翼100メートル以上の広い外野を持つ球場を作ったそうです。

それまで外野は、打者としては良いが、足も遅いし俊敏さにも欠ける、守備は今一という選手の、指定席と思われていました。
ですが、現在ではそれこそアメリカのMLBで活躍する、天才イチロー選手や松井選手など、打者としても優れているだけでなく、足も速く動きも俊敏な選手の、新たな活躍の場として、再評価されています。
何しろ、外野が広くなった分だけ、外野手一人の守備範囲が広くなり、足が速くなければボールに追い付けませんし、また肩が良くなければ内野に素速く返球して、打者走者の進塁を止める事が出来ません。

文字通り、走攻守が揃っていなければ、誰もが名プレイヤーとは呼ばれない、新しい野球の時代になって来たようです。
それにしても、失礼な言いようかも知れませんが、確かに変な集団球技だとは、思います。守備位置も固定化されていませんから、外野の選手が内野まで来てプレーしても、その必要があったなら問題が無いのも不思議です。
そして野球を面白くした、決定的なポイントが、英語で「ショート」日本語でこれは見事な訳だと思いますが、「遊撃手」という守備位置。

定位置は、二塁と三塁の間のやや後方。
本来であれば、1塁と2塁の間の両方にいるべきなのに(左右対称)、右側には定位置として、存在しない守備位置。打者に右利きが多くて、必然的にボールが、左側に飛ぶ事が多いので、設けられたのだと思いますが、このショートの出来如何で、守備力は大きく変わります。何しろ内野にも外野にも行ける、まさに遊撃手ですから。
当然それだけのパフォーマンスを、要求されます。よく言われる、センターライン。捕手・投手・中堅手(センター)が、重要なのはもちろんですが、この遊撃手(ショート)の良し悪しはそのチームの守備力に、大きく影響すると思います。

最後に野村克也元監督の名言を「野球は考える時間のある球技だ」

長広舌、失礼致しました。


by HINAKA (2010-05-26 04:33) 

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